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感 染 Infection

HIVは感染して数年から10年以上という潜伏期間を経て、AIDSを発症するといわれています。
風邪に似たといわれるような初期の症状は、友人たちの話からあまり個人差がないようです。
実際には自分が感染したという自覚はまったくないといってもよいのではないでしょうか

個人的にこのことから私は23歳で感染し、間10年をおいてじっくりとAIDSを発症したということになります
この期間まったく異常がなかったわけではなく、25歳の時には 「伝染性単核球症」 「ギランバレー症候群」という病気になりました
前者は 「EB(エプスタインバー)ウィルス」 というごく一般的なもので、免疫が落ちたときに無理をすると風邪のような症状から稀にこの病気になるようです
後者は原因はわからない病気ですが、白血球が神経細胞に攻撃をするということはわかっているようです
手足の先がしびれ始め、次第に動かすこともできなくなり、放置すれば神経の麻痺が心臓まで達して死んでしまうというものです
年に数人、老人に見られる病気で若い人には珍しく、抵抗力があれば普通はかからないと説明されました
すでに、この頃から免疫が落ちてきていたのでしょう
この翌年からは毎年帯状疱疹や単純ヘルペスが繰り返してあらわれるようになりました
私の場合、夏と冬にヘルペスウィルスが活動したのでとても憂鬱な時期でした
私の感染は男性からです
顔はなんとなく覚えているものの他はまったく印象に残っていないくらいの人です
感染を知った時はリスクを承知での行為だったので簡単にあきらめがつき、すぐに納得もしました
このときイメージとして、AIDSはすぐに死んでしまう病気、どうしよう、いやだ死にたくないという思いは私にはなく 、ぜったい治って退院する、大丈夫!
どこから沸いたかそんな自信がありました
感染を知ってすぐ思ったのは、彼に話をしなければということ
まず、会って謝る 、・・・謝る
気持ちはこの言葉でいっぱいになっていました

彼を待っている間に気になりだしたのは、父親です
同性愛やAIDSになったら、ぶっ殺してやるからなっ、と以前言われていたことが非常にネックになり、感染の事実よりもそのことでパニックになりかけました
そんな私を見て、あるひとりの看護婦がずっと私のそばについて彼との、父親との話し合いで間にはいりうまくサポートをしてくれました
その時点でふたりが納得してくれたか、私にはわからないことなのですが、病院側の血液検査の結果が陽性だとわかってからの対応は速く、病院の転院やその移動日などが矢継ぎ早に決まっていきました
それから数日お見舞人でめまぐるしく時間が過ぎ、感染がわかってから4日後、私は本格的な治療のため救急車で搬送されました
ストレッチャーにのってその階をあとにするとき、看護婦や医師の方たちがいっせいに見送ってくれたことが印象深く残っています
感染ということで、私は私に関係していた人たちに非常につらい思いをさせてきました
それは今も続いていると思います
私の、「HIVに感染した」ということは、私の人との付き合い方や自信過剰になっていた人生に、あって当然の出来事だったように思えてなりません
それなのにかれらは、人が人に対して持っている思いやり、慈愛、見かえりを求めない行為で今の私をなりたたせてくれています

1/SEP/2002


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