Leaflet SOMETIME 11-20

++ 11 ++

エイズウイルス

「エイズウイルス」、よく聞くし、目にする。
「HIV」、あまり聞きなれないところもある。一般的には、同じ物のようにとらえられている。両方とも、具現化する意味は似ていたりして、まだ、混沌とした非現実性を感じる。
 今日(2003年4月26日)、午後7時30分から放送になったNHKスペシャル、これもまた一方向のみで情報の軽減をみた。なぜ、そうなるかという基盤は廃止され、今ある現実ではなく、これからある現実にその比重を置いていた。
 「感染爆発」、これを防ぐため、と連呼しているにもかかわらず、その論旨は予兆を露呈していた。「どうしようもない現実」、「現実たる現実」、「現実ゆえの現実」、ないがしろにされた現実は、いつかあふれだすだろう。


 HIV に感染 → HIV 潜伏 → AIDS 発症(しない人もいる)、HIV、ヒト免疫不全ウイルスに感染してからの合併症(日和見感染症)がAIDS、後天性免疫不全症候群だ。

 少しずつでも、はじめることには勇気がいる。今を生きる現実には、続ける勇気も伴われて行くのだろう。そして、いつかこの勇気がいらなくなる日が来るのかもしれない。

26/APR/2003

++ 12 ++

NHKスペシャル

Nすぺがなんとなく波紋を呼んでいるようだ。
 
4月26日に本放送になったNHKの特番だが、その出演者のひとりが知り合いだ。番組作りのときから細かい打ち合わせの話など、いろいろと聞かせてもらっていた。大まかにできたとき、試写で観たそうだが、「なんなんだー、これはー」とNHKのロビーで怒鳴り散らしてしまったそうだ。それほど、協力者の意図は反映されていないらしい。的確な意見を好まない方針は、さすがNHKと言えるかもしれない。
 放送される何日か前、私の家に電話があり、泣きはらした鼻声で30分くらいこの番組に対する後悔を語っていた。
 その人は今、仕事で日本にいないので、番組の反響に直接は関わらないで済んでいるだろうが、 番組の撮影が終わってからの体の不調を海外で癒し、帰国してからの荒波に耐えられるかは、とても気になる・・・。
 私個人的に、内容や番組の意図は別にしても、とても良いきっかけになったと思っている。 知らないよりは知っていたほうが、次のステップに進みやすいのではないだろうか。
 生きているとなにかと勇気を奮い立たせて行かなければならないことがある。
今回もこの私の知り合いの勇気は非常なもので、現実的に命がけだ。
 ある1つのテレビ局で放映された特集番組。視聴者が各々の考えを持つのは当然だが、それ以上に勇気のある行為で何かを伝えようとした者の存在を忘れないでほしい。そして、なによりも誰かのため、お互いのためにも寛大に受け入れる心を持っていてほしい。
 HIV に感染し、AIDS を発症するという経験をこれ以上増やさないためにも、自分に寛大でいられますように…

5/MAY/2003

++ 13 ++

普通に暮らす

「今呼んでくるから待ってて。畑仕事に行ってるの」。メコン川沿いの農村に、HIV感染者の女性(29)を訪ねた。「戻るまで待つ」と言ったが、一緒に暮らす義姉(34)は迷惑な顔もせず、幼子を抱えて走っていった。やがて丸顔の女性が汗をふきながら現れた。
 女性は感染者であることを周囲に隠していない。だから訪問することにした。閉鎖的な面もある農村では、感染者は差別されかねない。感染を隠している人や、検査さえ受けない人もいる。外国人がこのことを取材に行けばうわさになってしまう。
 取材に応じてくれたことに感謝しながら、彼女と並んで座った。ところが。「体の調子は」「普通です」「仕事は毎日どれくらいするのですか」「普通です」。少しいらだった私に気付いたのか、彼女は静かに付け加えた。「普通でいようとしているの」
 彼女にとって「普通」であることがどれだけ重要か。当たり前の言葉の中に、どれだけの思いが込められていたか。普通に暮らすため、食事の栄養に気を配る、体調に常に注意する、新しい療法のうわさを聞けば駆けつける。家族との穏やかな生活を1日でも長く続けるために、彼女は全力を尽くしていた。私は自分の浅はかさを恥じた。(木村文) 朝日新聞2003年6月13日発行朝刊 特派員メモ タイ、アムナチャロン県 「普通」に暮らすより全文引用
今号は上記の記事の全文を掲載させていただきました
いつか日本にもあてはまる日が来るかもしれない
そして、この意識は大切なことなのではないかと思い、ここに残すことにしました
記者の方の貴重な経験が、この病気に関係する人の力の一端になることができますように

13/JUN/2003

++ 14 ++

On the way to somewhere.
見た目、ふつうに見えていても、実のところは違っている
体の中では日々、ヒト免疫不全ウイルスが増殖し体を食い尽くそうとする
体の中では日々、それを食い止めようと免疫機構がフル操業で抑えまくっている

見た目、元気そうに見えても、実の所、疲れている
ウイルスを抑えこむために劇薬を日に2回飲むことで
ふつうではない負担を自分自身のすべてに課し、元気でいる為にそれを続けている
体はイイ状態を維持するために、休まず薬を解毒し、元気でいる為に力を尽くしている

薬を飲むことで元気でいられる、元気でいる為に薬を飲む
今、生きているということは、そのことが大原則になる

もし、それのどちらかが崩れれば、維持は難しい
いつか生きているものは死んでしまう
何に逆らえずそうなるのかはわからないが、終わりを見つめるときがやってくる
それが速いか遅いかなどは到底わからないが
やはり、この感染症のままではふつうに暮らしていても死に直面するリスクは高い

ただ、体は意思と関係なくその仕事をこなしていこうとする

私は終わるとき、もし、自分の意識があるのなら、「良かった」と思って死にたい 
この体が生きている意味はなんなのか、私にはわからない 
「もし、生きられるなら、これからなにがあるのかわからないけれど、生きていたい。」 
何故か、体は元気でいようと、維持しようとしている 
「いつか終わるこの体でどこまでやれるか、ためしてみてもイイかもしれない。」 
まだ、生きていたい。自然な流れのように私の中に、まわりにある 

生きることの大切さも必要だが、死ぬ準備をすることも必要だ
薬を飲んでいれば元気でいられるが、いつか体の限界がやってきた時に
どれだけまっすぐにそのことを見つめられるか、そして、どれだけ納得してこられたのか


・・・私はこういう事を言われたことがある
「君がイヤだと思うことに、求めている答えがあるんだよ」
嫌な事にこそ、自分の欲しがっている答えがある
楽しい事は楽しいこととしてあるのは当然で、なるべくなら嫌なことは避けて通りたい
けれども、その避けてばかりの遠回り、寄り道の途中に自分が何をしたのかなど
とうの本人は気付かないものだ

嫌な物を嫌な物として突き進む、それが一番の近道であり
一番自分が求めていることなのだろう


何が何にたいして優しくあることができるのか
自分に厳しく、そして優しくあるからこそ
手の届く範囲からその気持ちは伝わるのではないだろうか


29/JUN/2003

++ 15 ++

A&U 抜粋記事
I understand where she's coming from.Before my best friend came out to me as HIV-positive, I thought that AIDS was ‘somewhere else’ and ‘someone else's problem.’And I, too, felt a twinge of guilt because I hadn't realized earlier how AIDS affects all of us...
「A & U」 December 2001 Issue 86
America's AIDS Magazine
Editer-In-Chief & Publisher : David Waggoner

1/JUL/2003

++ 17 ++

Super Virus.
「薬効かぬエイズ、国内で急速に拡大」 (読売新聞) 2003年7月30日(水)3時3分

 治療薬の効かない性質(耐性)を持つエイズウイルス(HIV)が国内で急拡大していることが、国立名古屋病院の調査で分かった。耐性HIVの増加は東京でも最近報告されたが、大規模な今回の調査で急速な拡大ぶりが確実になった。
 耐性HIVは、エイズの死亡率を高めるため世界的に問題化しており、厚生労働省も事態を重視。耐性HIVに関する専門家プロジェクトを8月に発足させ、具体策の検討に乗り出す。
 同病院で、未治療の新規感染者から採取したHIVを分析した。耐性HIVの検出率は、1999―2001年は計75人中4人(5・3%)だったが、2002年は41人中7人(17・1%)と急増。日本人に限ると、1999―2001年の56人中1人(1・8%)から2002年は30人中6人(20・0%)になった。
 発症を抑える抗ウイルス剤で、体内に耐性HIVが発生することがある。こうした患者の一部が他人に性行為などで感染させ治療前から薬の効かない感染者が増えているらしい。
Super Virus はクスリのまったく効かないHIVウイルスの事だ
これまで登場した薬剤すべてに耐性を持ち、減ることなく増殖を繰り返して行く
ここ数年に感染した人の多くはこのウイルスに感染しているらしい
既に感染した者の長年に渡る闘いの結果たまたま生じた耐性が違った形で影響しはじめている
考えのない行為が、これからの未来を食いつぶしていくのかもしれない
・・・自分の辛さは自分で何とかするもの
他人がどうにかしてくれるのではない
結局は自分
自分で決めるしかない
どうかこれ以上、このウイルスに感染するという辛さを身をもって経験する人が増えませんように
そう祈るしかないのだろうか・…

30/JUL/2003

++ 18 ++

HIV検査数が増加
「HIV検査数が増加」
 厚生労働省のエイズ動向委員会(委員長=吉倉廣・国立感染症研究所長)は1日、4月から6月の保健所などでのエイズウイルス(HIV)検査数が昨年同時期より5313件増えて1万9249件になった、と発表した。
2003年8月2日土曜日朝日新聞朝刊記事より
最近で一番嬉しいお知らせだ
 検査数が増えた?ときくと、悪いイメージを持ってしまいそうになる
 それに病気のことやその感染経路、世間体などの事を考えると、とても気が引けてしまうかもしれない
 だが検査を受けるという事は自分自身の決着をつけるため、近親者への思いやりなど、結果イイことにつながることだと思う
 検査を受けた人数が増えたということは、そんな自分を含めたいろいろな者への愛情から起因している事柄にちがいないのだ
 検査を受けたことで、感染していない事がわかれば、まず自分自身を「良かった」と思い
 相手がいるとすれば「うつしていなくて良かった」と思うだろうし
 家族に心配をかけずに(バレずに)すんだと思う人もいるかもしれない

 ただ、一時でも「自分がエイズ」と疑ったなら、その時誰かの事を思ったのなら忘れないで欲しい
 検査を受けに行こうと思ったときの気持ちをずっと持ちつづけ
 機会あるごとに他の人にもその思いと検査を受けることの大切さを伝えていって欲しい

 そして、もし自分の周りに検査の結果、感染している事がわかった人がいるとしたらその人のことを責めないで欲しい
 何故なら、感染した人は感染の事実を知ったその時から少なからず自分を責めつづけているからだ
 人を愛した事のある人なら判ると思う
 愛はどんなものなのかわかっているからだ

 今迷っている方へ言いたい
 検査を受けることはイイ事だ

3/AUG/2003

++ 20 ++

細い腕

私は細い腕に劣等感を持っている
おぼえている記憶の中で、父は常に私のことを
「女みたいだ」
「力がない」
「役に立たない、あっちいってろ、邪魔だから」などと言っている
そしてその一つ一つに必ずくっ付いてきた言葉、「細い腕してるなぁ」
35歳になる今も私の中に劣等感として残っている

確かに腕時計は一番最後の穴で留めるし、男物ではゆるくて抜けることもある
手首を握ればぐるりと第一関節まで回ってしまうし、指輪がとても良く似合う…
「苦労していない手ねぇ、」などと言われる事もしょっちゅうだ
そんな腕が、HIVに感染してから、また一回り細くなった気がする

「劣等感」という言葉の持つ意味をすこし調べてみた---
劣等感
inferiority complex

  ・劣等感 … 自分が他より劣っているという感情。
  ・劣等 … 平均的な水準のものと比べて劣っていること。普通のものより劣っていること。また、そのさま。
  ・劣等感 コンプレックス … 劣等感が原因で生ずる、自分をよく見せようとしたり、逆に失敗して傷つくのを恐れたりする心のわだかまり。
  ・コンプレックス … 精神分析の用語。強い感情やこだわりをもつ内容で、ふだんは意識下に抑圧されているもの。心のしこり。観念複合(体)。
  ・劣る … ほかと比べて、価値・能力・程度などが及ばない。(Lycos 辞書検索 三省堂)
男が男であるための必須要素のような気がしていた腕の細さ
そうでなくはならないかのように刷り込みされていた腕の細さ
それでも細い自分の腕
自分がダメなものに感じた時もあり、自分がどういう人間なのかという事を考えたきっかけになった腕の細さ
そして、その腕の細さを受け入れた時点から、もたげ始めた自分の存在

「自分がなにかの役に立つということは、今いる所ではない他の場所、場面で、力を必要としない、性別にもとらわれず、そして、腕の細い太いなどは実益にならない事にあるのではないか」

自分がその字面だけで持っていたコンプレックスを見出し見つめ受け入れる努力をはじめた頃
自分の考えではない意見をまるっきり逆手に取り、期待していた事に対して正反対の人生に価値観を見出した頃
腕の細さを受け入れる事によって、腕を太くする事で見返してやろう、そして何かの原動力にしよう・・・
結果として上手く行っているようだが、そんなふうに思えるようになっていった

父の口癖のようにして言い続けられた言葉が、今の私を奮い立たせている
自分は男性を好きになり、性欲の対象として男を選ぶゲイだという事実
HIVに感染したのは、その対象となる男性からの性感染
筋肉をつけるためにはじめた自主トレでも、思うようにならない腕の太さ
そのなことがかえって劣等感を刺激し、今ある劣等感は、あの頃の名残もあって
ゲイとしての外見にこだわりを持つようになっている

いつかそんな事がいらなくなる時が来るのだろう
今あるおごりを減らしていけるようになったとしても
なんでか、今生きている事実に忠実にしていきたいと思う自分もいたりする

私の中にある劣等感は、HIVに感染していても何も変わっていない気がする
今ある自分にHIVが加わったというほうが馴染みやすい
HIVという新しい価値観を持っているということなのだろう

24/AUG/2003

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